米議会 沖縄に感謝の決議採択

6月25日 9時21分 (NHKニュースより)動画あり

アメリカ議会は、日米安全保障条約が発効から50年を迎えたのにあわせて、在日アメリカ軍が駐留してきた沖縄の人々に感謝の意を表す決議を採択しました。

アメリカ議会下院は、日米安全保障条約が今月23日に発効から50年を迎えたのにあわせて、翌24日の本会議で、日米同盟の意義を再確認する決議を賛成412票、反対2票の圧倒的な多数で可決、採択しました。決議の中では、まず「日本は、アジア太平洋地域に平和と繁栄、安定を提供するうえで、アメリカにとって、かけがえのない安全保障上のパートナーだ」として、日米同盟の重要性を強調しています。そして、在日アメリカ軍について「日本とアジア太平洋地域を、外部の脅威から防衛するための日米安全保障上の措置の中核だ」と位置づけたうえで「駐留を維持するためには、日本国民の幅広い支持と理解が欠かせない。駐留を受け入れてきた、日本、特に沖縄の人々に感謝の意を表明する」としています。アメリカ議会としては、鳩山前政権のときには、沖縄の普天間基地の移設問題をめぐって日米関係が冷え込んでいたともいわれるだけに、条約の発効から50年を機にこうした決議を採択することで、日米関係を改善の方向に向かわせたいというねらいがあるものとみられます。

【首相訪沖】首相が県内移設の意向示す 沖縄県で仲井真知事らと会談

2010.5.4 13:23

仲井真弘多沖縄県知事との会談後、記者の質問に答える鳩山由紀夫首相=4日午後0時5分、沖縄県那覇市の沖縄県庁(大塚聡彦撮影)仲井真弘多沖縄県知事との会談後、記者の質問に答える鳩山由紀夫首相=4日午後0時5分、沖縄県那覇市の沖縄県庁(大塚聡彦撮影)

 鳩山由紀夫首相は4日午前、就任後初めて沖縄県を訪問し、県庁で仲井真弘多(なかいま・ひろかず)知事と会談した。米軍普天間飛行場(同県宜野湾市)移設問題で、首相は「沖縄県外(移設)という話もなかったわけではないが、日米同盟や抑止力の観点からすべてを県外にというのは難しい。沖縄に負担をお願いしなければならないという思いで来た。すべてをパッケージとして解決するのが大事だ」と述べ、県内移設に理解を求めた。

 首相は公式会談で政府案について「まだ完全にまとまっていない」としたが、政府は米軍キャンプ・シュワブ(同県名護市)沿岸部に滑走路を造る現行案の工法を埋め立て方式から杭(くい)打ち桟橋方式に変更する修正案とヘリコプター部隊の鹿児島県・徳之島への一部移転を組み合わせる方針を固めており、こうした案が念頭にあるとみられる。

 さらに、普天間問題で政府の対応が迷走したことについて、首相は「沖縄の人々におわび申し上げなければならない」と陳謝した。

 これに対し、仲井真氏は4月25日に県外移設を求める大規模な県民大会が開かれたことを念頭に、「県外移設を求める県民の声が高まっている。政府は真摯(しんし)に受け止め、危険性の除去に取り組んでほしい」と要望した。

 仲井真氏との会談に続き、首相は沖縄県議会の高嶺善伸議長と会談。具体的な移設案について「沖縄の皆さん、徳之島の皆さんにご協力をお願いしたい」とし、徳之島への移転を伴うとの見解を示した上で、全面的な県外移設が難しい理由としては「(海兵隊の)陸上部隊とヘリ部隊の共同訓練を行う上で厳しさがある」と説明した。

 首相はこの後、米軍基地・施設を抱える市町村長との懇談を行い、4日夕には名護市内で稲嶺氏と会談する。普天間飛行場キャンプ・シュワブの視察も予定している。

【解消に向かう日米同盟】

安全保障を理解しない鳩山首相に心底落胆

日米同盟の見直し論、最悪の場合「米中安保」締結へ転換も

 

 米軍普天間飛行場の移設問題が混迷を深めている。鳩山由紀夫政権は、

(1)キャンプ・シュワブ陸上部にヘリパッドを建設し、訓練機能を鹿児島県・徳之島などに移設する分散移転案

(2)将来的に、米軍ホワイトビーチ沖に代替基地を造る「2段階移設案」を検討。

 

米国防総省(ペンタゴン)中枢から衝撃の警告が寄せられた。
 「鳩山政権は安全保障の要諦をまるで理解していない。今後、『日米軍事同盟の解消』という選択肢も検討する必要がある
 こう語るのは、ペンタゴンで対日政策を担当するM・シファー国防次官補代理の側近A氏。軍備管理の専門家で、米軍基地再編の中心人物である。衝撃発言の真意を聞いた。
 「2段階移設案を聞き、ペンタゴンでは『鳩山政権との交渉は意味がない』とブーイングが上がった。もし、鳩山首相が5月末までに、この案しか示さなければ、不信感はピークに達し、『同盟を破棄すべき』との声が噴出するだろう
 「提案は一連の日米交渉で否定されたもの。それを踏まえて2006年、両国は『ベストではないがベターな案』としてキャンプ・シュワブ沿岸部で合意した。白紙に戻すのは時間の浪費であり、同盟国としての信頼関係を損ねる
 「同盟の根幹にかかわる重大問題がある。ペンタゴンは2月、使者2人を東京に送った。オバマ政権で軍事戦略を担当するC・ヒックス国防副次官とシファー国防次官補代理だ。2人の任務は『国防戦略報告書』(QDR)の内容を鳩山政権に説明し、東アジアにおける安全保障構想を徹底させるものだ」
 「最重要テーマは中国の軍事力増強という脅威だ。2人は外務省の藪中三十二次官や防衛省幹部に『日米間で緊密に対中政策を話し合う必要がある』と説いた。ところが、鳩山政権は同調しないだけでなく、鳩山首相は直後のインタビューで『日中関係が良くなれば、日米、米中関係も良くなる』とノー天気に語った。ペンタゴンはこの非現実的な安保哲学に驚き、心底落胆した」 「岡田外相が以前、ワシントンに来て『核の先制不使用』を迫った。核抑止力に代わる軍事戦略も示さずにだ。『鳩山政権=社会主義ポピュリズム政権』との酷評が定着している」

 日米関係は想像以上に深刻な危機にある。今後、米国はどういう外交・軍事オプションを用意しているのか。米国防総省(ペンタゴン)が日米安保崩壊を視野に入れた独自リポートを作成したという情報に入手した。対日政策を担当するM・シファー国防次官補代理の側近A氏に聞いた。
 --ペンタゴン・リポートの内容は?
 「対日政策チームがアジア・太平洋地域の安全保障に関する報告書をまとめたのは事実だ。第1の提言は『日米同盟の見直し論』。軍事同盟の相手として日本はふさわしいのかという疑問だ。過去10年間、日米間では『新防衛ガイドライン』が策定され、台湾有事を想定した共通の戦略目標が保持されてきた」
 --それが変化した?
 「米国が強く要請したにもかかわらず、鳩山由紀夫政権はインド洋での給油活動を中止し、米軍普天間飛行場の移設問題では優柔不断な態度を取り続けている。歴代の米国政府は、日本にNATOにおける英国の役割を期待し、自民党政権はできる範囲で応えようとしてきた。鳩山政権はこうした歴史的経緯をまったく無視している」
 首相がいまだに「常時駐留なき安保」を持論としているのは疑いない。
 --見直し論が深化すると、どうなるのか
 「リポートでは、第2の提言として『日本政府が同盟強化を先送りするなら、日米同盟の解消も想定すべき』と言及している。内部文書とはいえ、米当局がここまで踏み込んだ例はない」
 --すでに、同盟解消を想定した軍事オプションもあるのか
 「当然だ。まずは米韓軍事同盟の強化。韓国の李明博大統領がこの構想を支持しているのも追い風だ。この場合、東アジアの安保政策の拠点はハワイの米太平洋司令部となり、沖縄駐留の米海兵隊はグアムまで引く。極東有事の際、海兵隊の現場急行に時間がかかるのが弱点だが、第七艦隊でフォローできる」
 日本の半導体や液晶産業が韓国に追い抜かれて久しいが、安全保障分野でも韓国に主導権を握られることになるのか。
 --その他の軍事オプションは
 「究極のオプションとして『米中安全保障条約』の締結構想がある。鳩山政権が『駐留米軍はいらない』との考えに固執すれば、中国との友好関係構築へと軍事戦略を転換せざるを得ない。この場合、日米同盟は邪魔になり、破棄される運命となるだろう」
 現在、米中関係は、台湾への武器輸出やグーグル問題などで微妙だが、米国が中国重視の段階に入ったのは間違いない。安全保障は国益の体現とたとえられるが、まさに米中安保構想はこの考えに当てはまる。

 --日米同盟が破棄されれば、どうなるのか
 「日本は自国の領土・領海・領空を自分の手で守らざるを得なくなり、防衛力は格段に低下する。これに大喜びするのは中国と北朝鮮だろう。報告書は終章で『中国の国防当局は日米同盟は間違いなく崩壊する』との見方を紹介している
 鳩山政権が普天間移設で対応を誤ると、亡国の道を歩むことになる。
(ジャーナリスト・加藤昭)
■かとう・あきら 1944年、静岡県生まれ。大宅マスコミ塾で学び、「瀬島龍三・シベリアの真実」「『中川一郎怪死事件』18年目の真実」などのスクープを連発。「闇の男野坂参三の百年」で94年、第25回大宅壮一ノンフィクション賞を受賞した。

県内移設、公約違反でない 普天間で岡田外相

2009.11.18 14:32

このニュースのトピックスマニフェスト

 岡田克也外相は18日午後の衆院外務委員会で、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設先を県内とした場合でも民主党の衆院選マニフェスト政権公約)に違反しないとの考えを示した。「マニフェストには県外移設とは書いておらず、反するとは必ずしも言えない」と強調した。

 民主党は2008年の「沖縄ビジョン」で普天間飛行場について「県外移設を模索し、国外移転を目指す」としていた。

 岡田氏は外務委で、衆院選マニフェストでは普天間移設を含む在日米軍再編について「見直しの方向で臨む」との記述にとどめたと説明した。自民党の小野寺五典氏の質問に答えた。

【正論】平和・安全保障研究所理事長、西原正 沖縄の持つ「抑止力」に着目せよ

2010.4.26 03:17

このニュースのトピックス正論

 鳩山民主党政権は普天間海兵隊基地の移設問題で泥沼に落ちた。5月末決着はきわめてあやしい。鳩山政権は「県民の目線で解決する」といい、それは基地負担軽減であるという。そこから、普天間基地機能の県外・国外移設を行うといってきた。鳩山総理のこの解決方法は基本的なところで間違っていないだろうか。

 ≪国際的な勢力図での重要性≫

 鳩山総理がまず語るべきは、沖縄本島の地政学的な重要性である。地政学的重要性とは、将来もしも日本とどこかの国との対立が生じた場合、沖縄本島が日本に属するのか、あるいは敵方の影響下に陥るかによって、日本をめぐる国際勢力図が根本的に変わることを意味する。

 世界にはそういう場所がいくつかある。中米のパナマ運河、中東のスエズ運河ホルムズ海峡、東南アジアのマラッカ海峡などである。同様に、沖縄本島が敵の勢力下に陥った場合を考えると、海上自衛隊および米第7艦隊の行動が大幅に制約され、日本の南方地域つまり尖閣諸島宮古島与那国島、そして沖ノ鳥島などを守るのが極めて困難になる。さらに台湾がそうなれば、日本の南の守りは極端に脆弱(ぜいじゃく)になる。

 そのときには、日本から東シナ海などを経てマラッカ海峡へ続くシーレーン周辺の不安定化をもたらす。東南アジア諸国は機能的な日米同盟があってこそ、米軍の有事来援に期待することができる。

 ≪中国進出許す米戦力低下≫

 沖縄は、朝鮮半島をにらむためにも好位置にある。韓国軍が強力になり、かつての朝鮮戦争のような紛争は多分ないであろう。しかし最近は、北体制の崩壊時の核の除去が海兵隊の重要な任務の一つになるといわれる。日米同盟は米韓同盟を支えており、韓国に安心感を与えている意義は大きい。

 国際政治では、ある勢力が弱まった部分(軍事的空白)を対抗勢力が埋めようとすることがしばしばだ。そこに戦争も起きる。1950年の朝鮮戦争は、当時のアチソン国務長官が米国の西太平洋における不退去防衛ラインから朝鮮半島を外したことで、北朝鮮が半島南部に軍事的空白ができたと見て侵攻したことで始まった。

 1975年のサイゴン陥落で米軍が南ベトナムから撤退したあとの空白を埋めたのはソ連の太平洋艦隊であった。ソ連崩壊後、太平洋艦隊はベトナムを去ったが、1992年末、米軍がフィリピンから去ると、今度は中国海軍が南シナ海に勢力を伸ばし始めた。

 沖縄での米海兵隊のプレゼンスの低下は中国海軍を勇気づけ、西太平洋における活動範囲を広げるであろう。日本政府はこのような議論をこそ重ねるべきなのだ。

 沖縄に海兵隊が一部残留することで、有事の際には自衛隊と在日米軍が共同で対処することができる。とくに米軍の手痛い反撃を考えて、沖縄への攻撃を手控えるであろう。これが日米軍事力のもつ抑止力である。

 「沖縄の米海兵隊がゼロになっても、有事に駐留すればよい」という意見が民主党内に根強いと聞く。しかし有事駐留は、その時に米軍を移動させる訳で、かえって緊張を高める。平時の駐留が抑止効果をもち、しかも国際関係を安定させる。

 ≪将来見据えた国防の備えを≫

 海兵隊は沖縄にいなくてもよいという議論は、米軍の紛争対処能力を著しく低める。米軍が米西海岸から海路で北東アジアに移動するには3週間以上、ハワイからでも2週間必要である。沖縄ならば2、3日で済む。

 総理は沖縄のもつ地政学的重要性を、とくに沖縄県民に語るべきなのである。県民の目線で海兵隊を「お荷物」扱いして県外・国外に追い出した場合、有事に嘉手納空軍基地を守るのは誰なのか、沖縄本島を守るのは誰なのか。本州なり、米国なりから急派された部隊が駐屯する基地がなければ、作戦ができないではないか。沖縄県民の目線に立って米軍の撤退に拍車をかければ、いずれ沖縄県自身の安全が脅かされる。

 2006年の日米合意で、沖縄の海兵隊8千人をグアムに移すことが決まり、昨年2月に日米閣僚間でグアム移転協定に署名した。これは民主党や社民党が主張してきた普天間基地機能の一部国外移設にあたる。実現させれば公約を果たすことになる。これ以上の海兵隊の分散を要求することは、その紛争対処能力を低下させ、米側の対日不信を強めるだけだ。

 総理は「ご苦労をかけてすみません」と謝るのではなく、沖縄県民が日本の安全、東アジアの平和と安全という崇高な目的に重要な役割を果たしていることを強調し、誇りをもってもらうべきである。その際、十分な沖縄振興策を準備することだ。米国には米兵の「しつけ」を十分にするよう要求すべきはいうまでもない。

 米軍は沖縄に残るべきだが、永久にいるわけではない。将来、米軍が去った後、沖縄を守るのは自衛隊である。米軍の撤退後、自衛隊が防衛できる態勢をいまから考えておくべきである。(にしはら まさし)

櫻井よしこ「日本は即備えよ!中国海軍の脅威」

2010年05月03日 | 中国問題櫻井よしこブログ4月29日より)

4月10日、中国海軍東海艦隊の潜水艦、駆逐艦、フリゲート艦、補給艦、艦載ヘリなど10隻から成る多兵種連合編隊が、沖縄本島と宮古島の間を通過した。
「まさに威風堂々ですよ」
中国海軍の大規模編隊が日本近海を初めて航行したその様子に、海上自衛隊の関係者が思わず呟いた。
大艦隊の航行からその意図が読みとれる。注意深く見れば、興味深いことに気づく。中国が誇る最新鋭のキロ級潜水艦までが、浮上して中国国旗を翻しつつ航行したことだ。
中国海軍の潜水艦を視認する機会など、これまでは殆どなかった。2003年11月に鹿児島県大隅海峡を浮上して航行するミン級潜水艦が視認されたが、今回、中国の潜水艦を、しかも彼らの虎の子のキロ級潜水艦をしっかり見ることが出来たのは、恐らくそのとき以来だ。
堂々と姿を現わしたこのキロ級を、中国はロシアから購入した。音が非常に静かで一旦潜ると探知するのが難しい。その分、日本、米国をはじめ諸国にとっては脅威である。
中国は強大な米海軍力への対抗手段として潜水艦を重視してきた。06年には沖縄沖で訓練中だった米空母キティホークのわずか8キロ地点まで気づかれずに迫り、浮上した。その無言のメッセージは、「我々は気づかれずにここまで接近した。実戦ならば君たちはすでにミサイル攻撃を受け、空母は大破しているだろうね」ということで、米側に中国海軍の威力をいやという程、見せつけた。
中国の潜水艦は、いまや、冷戦期の旧ソ連の潜水艦以上の脅威と受けとめられている。03年以来、米軍が冷戦時代の「対潜戦」を再び重視し始めたのは、急速に高まる中国の潜水艦能力を念頭においてのことだ。
米軍に冷水を浴びせ、その空母をも足止めさせる威力を持つ潜水艦であれば、尚、その隠密性を維持しなければならないはずだ。にもかかわらず、彼らは、潜ったまま通過して差し支えない公海を浮上して航行した。なぜ彼らは潜水艦の軍事的特性である隠密性を犠牲にして姿を見せたのか。その理由を、中国側が珍しくはっきりと公表していた。
「常態化」を宣言
4月10日の軍のメディア、「解放軍報」を読むと、疑問は氷解する。内容は直截(ちょくさい)かつ明確で、中国側が大規模艦隊を外洋に派遣した意図を日本はじめ周辺諸国に周知徹底させたいと考えていることが伝わってくる。
以下、軍報の要旨である。
①東海艦隊の多兵種連合編隊は昼夜連続の対戦演習を実施したが、これは外洋艦隊活動の幕開けである
②今回の訓練は、参加兵力の規模の大きさ、時間の長さ、環境の複雑さ、いずれも近年稀なるものだ
③海軍司令部軍事訓練部の司令官は、外洋訓練の常態化、実戦化を推進すると明言
④中国海軍への艦隊ミサイル攻撃に対しては、電磁妨害及び火力攻撃によって各個撃破する
⑤中国海軍はまた、世論戦、心理戦、法律戦の三戦を実施する

先述の疑問は⑤で氷解する。中国共産党は毛沢東の時代からこの「三戦」を実施してきた。彼らの唱える「法律戦」は、国際法及び国内法を利用して、国際的な支持を獲得するとともに、他国からの反発に対して反撃のための法的根拠を固めることだ。中国が尖閣諸島を中国領とする国内法を作ったのが、その一例だ。「世論戦」は中国の軍事行動への大衆及び国際社会の支持を高めるための作戦である。「心理戦」は相手国の軍人及び文民の士気を低下させ、中国軍への対抗心や戦闘意識を喪失させるためのものである。
最新鋭のキロ級潜水艦の浮上航行は、日本国民と自衛隊に、中国にはかなわないと思わせるための示威行動だったわけだ。
さて、解放軍報の報道でとりわけ重要なのが「常態化」である。今回彼らが行った外洋軍事活動を中国はこれからずっと行い続ける、大艦隊が日本近海を通り、或いは日本近海にとどまり、中国の国益拡大のために活動すると、宣言したのだ。
現に艦隊には補給艦が含まれており、洋上補給を行っている。艦隊の外洋活動は長期間にわたると見るのが合理的であろう。
このことは日本にとって何を意味するのか。中国艦隊は10日に沖縄本島と宮古島の間を通過したが、7日から9日までの間、東シナ海の中部海域で艦載ヘリの飛行訓練を行った。日本近海での軍事活動であり、当然、海上自衛隊は護衛艦2隻とP3Cを派遣し、監視体制を敷いた。すると、中国海軍のヘリが低空飛行で海自の護衛艦に異常接近した。その距離、わずか90メートル、高さは30メートルで、護衛艦のマスト近くに迫った。完全に侮っているのである。これが、世界第二の軍事大国にのし上がった中国の、現時点における実相である。そして、力のない国は、中国が以降、常に行うと宣言しているこの種の傍若無人の振舞いに耐え続けなければならないということだ。
日本がなすべきことは明らか
ここに至るまでに中国がどれほどの軍拡を重ねてきたか。軍事情報が不透明なために、正確には把握出来ないが、日本の防衛予算がGDP(国内総生産)の1%未満であるのとは対照的に、中国は少なく見積っても3~4%である。中国の軍事費は発表数字の2~3倍と見られており、実際にはもっと膨大な予算が注ぎ込まれている。過去21年間、2桁の伸びを続けた中国の軍事費は現在、21年前の実に22倍に膨れ上がった。
留意すべきは、この異常なる軍拡が明確な戦略に基づいて推進されてきたことだ。防衛政務官の長島昭久氏が指摘する。
「1980年代に、鄧小平の右腕の中国海軍提督の劉華清が長期戦略を打ち出しました。まず、沖縄諸島から先島諸島、台湾、フィリピン、ボルネオに至る線を第1列島線と定義し、2010年までにこの海域から米軍の影響力を排除するというものです。次に、2030年までに空母部隊を完成させ、小笠原諸島からグアム、サイパン、パプアニューギニアに至る第2列島線の海域の制海権を確立する。さらに、2040年までに、西太平洋とインド洋から米国の支配権を削ぐというものです」
「中国はこの長期計画から外れることなく、人類史上、どの国も行ったことのない凄まじい軍拡に邁進してきた。それぞれの目標は、達成時期は多少遅れがちながらも着実に実現されてきた」と、長島氏は語る。
日本列島が存在する西太平洋、日本の生命線であるシーレーンが通るインド洋を、確実に自分の海にするという大目標を具現化しつつある中国の前で、日本がなすべきことは余りにも明らかである。それはいま根本から揺らいでいる日米同盟を立て直し、日本の防衛力を強化する具体策を打ち出し、実行することだ。